人間国宝・北村武資氏。
■1995年 「羅」 認定
■2000年 「経錦」 認定
二つの分野で人間国宝に認定されている方は現在でもほとんどいません。
15歳の時から精進した西陣織の技術を駆使して、誰からも教わることなく編み出されたこの織。人間国宝の世界では「世襲」か「師匠について長年修業を積んで身につける」かの二通りの道が大多数を占める中、 北村武資氏はただ独学で自身の道を築き上げました。
1972年、「長沙馬王堆漢墓(ちょうさまおうたいかんぼ)写真速報展」で出会った「羅」という織物。その幻想的な美しさに魅せられ、しかもそれが2000年前の人々の生活の中で生きていた美しさであったことに感銘を受けた北村氏。それから、そこで見た写真のみから推測して羅を復元したということに驚かずにはいられません。
羅を自在に織ることができるようになった北村氏が、次に目指したのは「経錦」の復元でした。「経錦」も中国の唐の時代に日本へ伝わりましたが、製織が比較的容易な緯錦が主流となり、奈良時代以降には織られなくなった織物です。
権威のあるさまざまな発表の場で数々の賞を受けたことは言うまでもありません。
しかし、北村氏の織りは、単なる古代製織技法の復元ではありません。
北村氏の織物は『現代に生きる織』と言われます。
古代とは全く違う独自の世界。織技の解明、継承を求めつつも、現代の街に合う色や地風を作り上げる。かつて古代中国の人々の中で羅が生きてきたように、現代の人間が現代に生きる織物を現代感覚で作り出していかなければならないと考えているのです。
まさに究極の超逸品!
こちらは、北村氏の『羅金の袋帯』作品でございます。
氏の作品の中でも、『羅金の袋帯』はまずお作りがございません。
この度大変有難い希少なご縁から特別にご紹介させていただけることとなりました。
直接ご覧いただく機会の少ない、本当に希少なお品です。
お取り寄せや、今後のご案内のお約束はできませんので、
ぜひこの機会にご検討くださいませ。
『羅』とは、経糸を捩らせながら織られた隙間のある網状の捩(もじり)織物です。羅の組織には経糸が捩れ合ったところに緯糸が通っている目の細かい網捩と、捩れをはずしたところに緯糸が通っている目の粗い籠捩があり、この二つを組みあせて文様を織り出します。この二種のうち、一般的には網捩が表出して文様を作り出すのですが、北村氏の場合は逆に籠捩で文様を織り出したり、網捩と籠捩を同等に組み合わせて連続させるなど、独自の羅を完成させています。
さらに今回ご紹介いたします『羅金(らきん)』は、羅組織に平金糸を織り込むことで意匠を表現するという、繊細な織技法×繊細な素材が生み出す究極の職人技が求められる作品でございます。
所作によって意匠がそっと姿をあらわす、なんともいえない美しい透明感を伝える帯。
透けた奥に浮かび上がるのは七宝花丸文。ほんのり極淡くグレーアイボリーおびた絹糸と、澄んだ輝きの平金糸が織りなすただならぬ風格は、惚れ惚れという次元を超越する美しさでございます。
また手にされると、その軽さに驚かれることでしょう。
どれほど繊細な技術が求められるか、その素材の軽さから職人の神的な匠技の凄みをご実感いただけるはずです。
優雅、という言葉では語り尽くせない、まさに唯一無二の輝きを放つ、現代における最高ランクの織技法がそこにあります。
計算し尽された人間の手技。これほどの織物に出会えたことに喜びを感じずにはいられません。
わたくしどももご案内させていただけることに感謝と誇りを感じる、本当に究極の超逸品でございます。
ご着用はもちろんのこと、現代における類稀なる染織技術のコレクションとして、
代々受け継いでいただく家宝としても大変価値のある一品と存じます。
古代のものとは全く異なる今日に生きる織物としての北村氏の織世界。
どうぞこの機会に、北村武資氏の六十年の足跡に触れ、その美を愛でる喜びと出会って下さい。
【作家産地】「北村武資」のご紹介はこちら
オンラインショップ:「北村武資」商品一覧はこちら
- 素 材: 絹
- 色 柄: シャンパンベージュ・六通
- 価 格: お気軽に問合せください
*お仕立て代、消費税、送料込みの価格です。
*特別加工(ガード加工など)をご希望の場合は、別途料金が必要となります。
- 納 期: 寸法確定後約20日